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2011年4月25日月曜日

節電とバリアフリー

久しぶりに電車や地下鉄に乗った。駅では至る所でエスカレーターが止まったまま。お年寄りが溜め息をつきながら、休み休み階段をのぼっている。おかしい。脚が不自由な人は階段を降りるのも辛く苦しいはずだ。


節電の必要が仮にあるとしても、そのツケを弱い者に回すのはおかしい。放射線の感受性が高い子どもたちに大人と同じ基準をあてはめて平然としている感覚に通じるものがある。


この国のバリアフリーの程度が知れてしまったと、親しい友人と話していると、もっと呆れる話しを聞いた。彼の勤め先の大学では、学内至る所にある自販機は元気に動いているが、エレベーターは止めているというのだ。そこである人が学長に「バリアフリー法の観点からしても止めているのはおかしい」と糾したところ、学長センセイは、「重いもの等を運ぶ時は動かしてもらって構いません」とのたもうたとのこと。かなりどうにもならない。



2011年4月22日金曜日

参考情報:福島第一原発事故


ドライアイになっているか自分で調べるには、しばらく目をつぶってから目を開き、10秒間瞬きしないでいられるかをみればよいらしい。僕は8秒くらいたったところで、こらえなくなる。つまりドライアイにかかっているようだ。原発事故以来、内外のニュースサイトや、主流メディアに出て来ない情報を求めてネットをあちこち見て回ったからだろう。折角、目をドライにしてやったことなので、この間に見て回って参考になったサイトを整理しておく。

原子力資料情報室 CNIC(国内では最も信頼できる情報源の一つ):
15年戦争資料@wiki の中の特設庫:
http://www16.atwiki.jp/pipopipo555jp/
福島原発危機リンク集(核情報のページ)

<解説>
科学者会議東京支部「科学者の眼」(原発事故、被曝についての解説。更新中)
081026 小出裕章巨大地震が原発を襲うとき」浜岡原発問題を中心にした論文
日本科学者会議福岡支部核問題研究委員会編『緊急マニュアル 原発事故 その時あなたはどうする』合同出版社:
雑誌『世界』『科学』の一部を無料公開(岩波書店)
日本科学者会議福岡支部・緊急シンポジウム「 福島第一原発で何が起きているのか」

<講演などの映像情報>
3月20日 小出裕章講演「隠される原子力」/問題の全体的概説:
328日藤田祐幸(慶応大学物理学教員)インタビュー「慚愧の思いで語り直す福島原発事故」http://www.youtube.com/watch?v=3UAY2oXyInk
4月1日 矢ケ崎克馬(琉球大学理学部名誉教授)広島講演
4月9日:藤田祐幸「今、福島原発でなにがおきているのか」湯布院講演

<推進派のサイト>
原子力百科事典http://www.rist.or.jp/atomica/
東京電力『原発はこんなに安全です』
http://aoisora.org/genpatu/2011/20110419tepco.html
<その他の情報源>
自称文科系の人のための放射能の話:
放射線量観測データ:
 サイエンス・メディア・センター SMC http://smc-japan.sakura.ne.jp/
Special Forecast products for Fukushima produced by NILU-ATMOS
ノルウェー気象庁の放射性物質飛散シミュレーション

<関連ビデオ>
チェルノブイリ原発事故(1986年4月26)
『終わりなき人体汚染』(NHKスペシャル、96年4月26日放送): 
「サクリファイス 事故処理作業者の知られざる現実」2003年、フェルダート・フィルム(スイス):
「隠される原発労働者」

「なぜ警告を続けるのか~京大原子炉実験所・”異端”の研究者たち~」
http://video.google.com/videoplay?docid=2967840354475600719#


「原発なしでも電力足りてる」

心からの叫び!元原発技術者菊地洋一さん中部電力靜岡支店で心からの叫び!
原発導入のシナリオ ~冷戦下の対日原子力戦略~NHK 現代史スクープドキュメント 1994年放送、「毒を以て毒を制す」:
小出裕章4月8日/朝日ニュース・インタビュー(画像は高円寺デモ)
http://www.youtube.com/watch?v=fHSJU9aFuTs
49日:京都大学原子炉実験所 小出裕章氏に聞く(岩上安身)
325日:「あえて最悪のシナリオとその対処法を考える」(小出、宮台他)
<解説書>
小出裕章『隠される原子力  核の真実』2010年、創史社
清水修二・野口邦和『臨界被爆の衝撃』リベルタ出版  20004月  
舘野 淳『廃炉時代が始まった』朝日新聞社、20001 

<この問題を考える上でのセンスに関わって>
小田嶋隆「ア・ピース・オブ・警句」世間に転がる意味不明(3月18日以降の毎金曜更新のコラム)
http://business.nikkeibp.co.jp/article/life/20081022/174784/
中野憲志ブログ
http://nakano-kenji.blogspot.com/



2011年4月21日木曜日

逆立ちした数字合わせ


政府の原子力災害対策本部が示し、原子力安全委員会が会議も開かず了承したとされる「福島県内の学校等の校舎・校庭等の利用判断における暫定的考え方」に基づいて、文部科学省は19日、福島県内の幼保育園と小中学校の校舎などを通常利用する際の限界放射線量を、1時間当たり3・8μSv/時間に設定するという通知を発表した。これは、16時間の屋内(木造)、8時間の屋外活動の生活パターンを想定すると、20mSv/年に到達する空間線量率は、屋外3.8μSv/時間、屋内木造1.52μSv/時間になるという計算によるものらしい。
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/23/04/1305174.htm

しかし、福島県公表データによると、例えば、福島市立第一小学校では、空間線量 3.4μSv/h であるが、大気中放射能濃度は 5.066(Bq/m3)、土壌放射能 14,743Bq/kg となっている。文部科学省が想定した生活パターンを送るとしても、この観測値では年間被曝量は20mSv/年を越えることになるのではないか。

年間20mSv/年という設定は、計画的避難区域の設定基準と同じで、国際放射線防護委員会(ICRP)の勧告を基にしているそうだ。
他方、1986年に起きたチェルノブイリ原発事故直後のソ連の安全基準は、100mSv/年で、2年目に50mSv/年、3年目に30mSv/年となり、また事故5年後1991年のベラルーシの避難基準は2段階:公衆被曝の1mSv/年を超えると住民は移住するか否かの選択権が生じ、5mSv/年を超えると「移住義務」が生じるとなったらしい。

あるMLに流れた報告によると、参院議員会館で今日の午後に、福島県の学校の校庭利用における「被曝限度年20ミリシーベルト」の撤回を求めている「福島老朽原発を考える会」などが、原子力安全委員会+文部科学省と交渉したとのこと。この交渉に先立って次のような訴えがあったと紹介されていた:



私はただの主婦です。5人の子どもを育てている主婦です。ここにいる方のような学問も知識もありません。わが子の命を守りたいとここに来た。
生きることの大切さを子どもに伝えてきたつもりだ。その生きる大切さを一瞬のうちに奪われてしまった現実を伝えたい。
福島の子どもたちは学校の中に押し込められて、ぎゅうぎゅうづめで通っている。それが20ミリシーベルトという数字が発表になったその日に、教育委員会は「もうここで活動していいです」と言ってきた。本当にそれで安全なのか分からないまま子どもを学校に通わせるのは不安だというお母さんはたくさんいる。
家庭の中でも、お父さんとお母さんの意見が違う、おじいちゃんとおばあちゃんの意見が違う。子どもたちはその中で翻弄されて、家庭崩壊につながっている家庭もある。学校に送り出した後に、罪悪感で涙するお母さんもいる。いろんなことが起こっている。
私たちただの主婦が分かるように説明してください。東大や京大や慶応や早稲田を卒業した人たちが地域に住んでるんじゃないんです。私たちは中学や高校しか出ていない。でも、子どもを守りたいという母親の気持ちはどこに行っても、日本中、世界中いっしょです。それを、あなたたちのような安全なところでのうのうと毎日を生活している人たちに数字だけで決められたくない。半径10キロ以内のところに対策本部を持ってきなさい。
どんな思いでとどまっているか、知らないでしょう。私たちは離れられないんです、あの場所を。生まれた時からずっと何十年も住んでるんです。子どもたちも、おじいちゃんおばあちゃんも、あの場所を離れたら…。
こんなひどいことをしておいて、数字の実験? ふざけんじゃないよ。
こんなことが許されるんですか。私はとてもじゃないけど冷静な気持ちでこの場にいられない。あなたたちの給料、あなたたちの家族を全部、福島県民のために使いなさい。福島県民を全員、東電の社員にしなさい。給料を払いなさい。
そして安全を保障してください。
私たちは子どもたちを普通の生活に戻してあげたいんです。母親のこの願いをかなえてください。

2011年4月20日水曜日

feed and bleed

東電が17日に、福島第1原発の事故収束に向けての工程表なるものを発表した*a。NY Times に、an ambitious plan と、直ぐに書かれてしまったように、いくつもの「最良の可能性」の積み重ねのうえでの甘々なシナリオのようだ。


*a)  http://www.tepco.co.jp/cc/press/11041702-j.html


現場労働者の年間被曝基準は、100mSv/y から 250mSv/y に一方的に引上げられて働かせている(安全性より必要性?!)*1。しかし、現場の線量が著しく高い。1号機の1時間当たり線量は10~49mSv/h3号機は28~57mSv/h という*2

つまり、ある人が4時間半働いたら、その人は次の日からその先は働けなくなることになる。


*1 http://www.asahi.com/special/10005/TKY201103150475.html
*2 http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110419/dst11041907010005-n1.htm


既に3月19日の時点で、100mSv年間被曝基準をこえて被曝してしまった方がどんどん出ていた*3。それから一ヶ月たった今ではどうなっていることだろうか。枝野君は「工程表に影響ない」と済まして言っている*4。現場では約300人の方が奮闘しているという。その全員が毎日総入替えしなくてはならない程に被曝していないとしても、今後6〜9ヶ月かかるなら、何千人という労働者を投入しなくてはならない*5


*3 http://www.asahi.com/national/update/0319/TKY201103180636.html
*4 http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110418/plc11041817330022-n1.htm



*5 恐ろしい求人広告:


生身の人間が駄目ならロボットだと、アメリカから軍事用ロボットをもらったりして投入したが、ICやカメラの受光装置まで放射能でやられ誤作動する等、ここでも「想定外」が続出*6
*6 http://mainichi.jp/select/weathernews/news/20110409ddm003040106000c.html
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2011041601000707.html


ロボットの様子が分かるNYTの記事:
http://thelede.blogs.nytimes.com/2011/04/18/robot-cousins-of-roomba-deployed-in-japan/


格納容器を水漬けにして安定冷却にもっていくというけれど、2号機は穴が開いているので、これを密閉しなくては現在のようなダダ漏れになってしまう。しかし、密閉作業は高線量のため、とても無理ではないのか。ダダ漏れしていても冷やし続けなければならないので、そうすれば溢れた高汚染水で作業現場の線量は高くならざるを得ない。


1・3号機にしても、ただ水漬けにすれば安定冷却にもっていける訳ではない。水を循環させなければ低温停止状態にもっていけない。循環のためのシステムがきちんと起動するか、地震や爆発で破損していないか。そもそも、水で一杯にされることを設計上では予定していない格納容器が、仮に地震や爆発で脆弱になっていないとしても、予定外の水の圧力に耐えることができるのか*7


 *7 http://www.jsa.gr.jp/pukiwiki/index.php?%CA%A1%C5%E7%B8%B6%C8%AF%CC%E4%C2%EA%A4%CB%A4%C4%A4%A4%A4%C6#xb04b5e3

僕はテレビは見ない。しかし、ネットであれこれ情報を集めることが著しくふえて困っている。困るのはモニターが眼に辛いからだ:


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●YouTube - 心からの叫び!元原発技術者菊地洋一さん中部電力靜岡支店で訴えたhttp://www.youtube.com/watch?v=gNWVljrvl3o




小出裕章「巨大地震が原発を襲うとき」

08年10月

http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/kouen/msm081026.pdf

山岸凉子「パエトーン」特別公開

http://www.usio.co.jp/html/paetone/index.html

「なぜ警告を続けるのか〜京大原子炉実験所・”異端”の研究者たち〜」
http://video.google.com/videoplay?docid=2967840354475600719#






2011年4月16日土曜日

電力不足?


「地震は天罰」といってのけた原発推進派の石原都知事閣下が楽勝で4選されたためか、清涼飲料各社は安心して自販機の「輪番節電」に踏み切るそうだ。

http://kaden.watch.impress.co.jp/docs/news/20110415_440193.html
http://www.nikkei.com/news/headline/article/g=96958A9C93819696E3E7E29E848DE3E7E2E6E0E2E3E3E2E2E2E2E2E2

報道では、例によって消費電力の時間単位がぼかされている。調べてみれば容易に分かるように、一世帯あたり電力消費量は、2009年で283.6kW/月である。他方、国内の自販機約500万台が消費する電力は毎時66億kWとも80億kWともいう。一台が1.2kW/hから1.6kW/h消費していることになる。つまり自販機1台は約860kWから1100kWを毎月消費している計算になる。つまり1台の自販機は一般家庭の約3倍からの電力を消費していることになる。なるほど消費電力の時間単位がぼかされるわけだ。
http://saijiki.sakura.ne.jp/denki1/jidou.html
http://www.fepc.or.jp/present/jigyou/japan/index.html


ところで、小出裕章さん(京都大学原子炉実験所)の話しをまとめた文章を、あるMLで見かけた。分かりやすいので転載しておこう:







「原発なしでも電力足りる」



http://www.youtube.com/watch?v=PLJVLul6Wz0







4月9日:京都大学原子炉実験所 小出裕章氏に聞く(岩上安身)


以下は政府公表統計資料に基づく計算・推論です。


 現在、我が国の「火力」「水力」「原子力」の3つの発電施設が産み出す総発電量に対する、上記3つの発電施設が占める発電量の割合は(大まかに言うと)、火力発電が60%、水力発電が20%、原子力発電が20%といわれる。より正確には上記3つ以外にも太陽熱発電や地熱発電その他若干あるが、それらは除外しておく。

 ここでまず注意すべき点は、上で示される数字は「実際にフル稼働している割合を示す数値ではない」点である。上記3施設分野で、実際に稼働している率(実稼働率)は、

(1)火力発電の場合は、稼働可能な最大出電量の50%弱しか稼働していないので、実際の火力発電量が国全体の総発電量に対して占める割合は、60%のそのまた50%であって、0.6×0.5=0.3(30%)となる。
(2)同様に、水力発電の場合も、稼働可能な最大出電量の40%弱しか稼働していない。実際の水力発電量が国全体の総発電量に対して占める割合は、20%のそのまた40%の、0.2×0.4=0.08(8%)となる。
(3)同様に、原子力電の場合も、稼働可能な最大出電量の75%弱しか稼働していないから、原子力発電量が国全体の総発電量に対して占める実際の割合は、20%のそのまた75%の、0.2×0.75=0.15(15%)となる。

 政府や、発電会社や原発支持者が「我が国では発電総量の3割が原子力発電に依存している」と言うときの「3割」とは、上記(1)と(2)と(3)の3つを総計した総計に対する(3)の比率のことでしかない。すなわち、火力全体の30%と、水力全体の8%と、原子力全体の15%の3つの合計、30%+8%+15%=53%中に占める、原子力発電の15%の占める割合(すなわち15%÷53%=28%・・・これが、政府や発電会社やマスコミ、及び私たち市民大衆でさえ、漠然と思い込まされてきている【約30%が原発電気だ!】の内実。

「我が国では発電総量の3割が原子力発電に依存している」という際の3割とは、実際の稼働電力量の意味かのか、稼働してない休業中のものも含めた発電可能総電力量のことなのか、分母が何で、その分母で割られる分子の数値が何を意味する数値なのかを、まずキチンと確かめてから「30%(3割)云々」しないと、政府や原発会社の《すり替えデマキャンペーン》のトリックの罠にはまってしまう。

 火力発電30%と、水力発電8%と、原子力発電15%の3つを合計しても、総発電量の53%であることは、これら3部門をフル稼働した場合には46%は、供給能力に余裕があることを意味する。仮に、今現在稼働供給している全国の原子力発電の総電力量を15%分の全部を、休業中の火力発電でそっくり置き換えても、なお火力全体の75%(四分の三)であり、まだ25%の余裕がある。

 政府やその他が【約30%が原発電気だ】というのは、確かに全くのウソではない。それは、あくまで《現在稼働している3分野の総電力供給量に対して占める原子力発電供給総量の割合が3割!》という意味でしかない。稼働していないけれど、稼働能力のある火力発電及び水力発電の総量に対する、稼働可能な全原子力発電所の総発電量が3割、という意味ではない。

、火力発電でそっくり置き換えて、全国の原子力発電を1機残らず全て稼働停止したとしても、水力を除く全国の全ての火力発電所の全供給能力量の75%(四分の三)に留まる。その場合でも火力発電の供給量は、まだ25%の余裕がある。

 こうした事実を指摘された政府や電力会社は、「電気は貯めが効かないから、電気需要が一番必要なピーク時には、その25%余裕でも対応できないから・・・だから25%の余裕があっても安心できない」と反論している。

 こうした政府や電力会社の反論は、しかし、全く説得力がない。なぜなら、我が国の夏場の昼下がりも含め、最大需要電力量は、これまででも、水力発電と火力発電だけで間に合ってきている。確かに、1990年代の始め頃にだけ、真夏の3日間程の午後の数時間だけは、需要が供給を上回った時期も、過去に幾度かあったことは確かである。しかし、そのような非常時の時にこそ、工場等の大口消費を一時停止すれば十分済む。後述するように、そのために、産業用電力価格は、一般家庭電力価格よりも、はるかに安価に設定されているのだから、そうした緊急時の数日間は、産業用電力に節電を義務づければ済む。

 加えて、先進主要諸国の中で、日本は家庭用電気でも、産業用電気でも、世界一高い電気代を買わされている。また、産業用電気代は、家庭用電気代の40%の安い価格に設定されている。産業用需要の中で、最も大量に電気を消費する業種は、「電気の缶詰」とも呼ばれる、アルミ精錬産業である。また、農産物では、ハウス栽培のメロンもまた「電気の塊の果物」と呼ばれている。

 アルミ精錬産業の場合、1970年始め頃までは、国内生産でほぼまかなわれてきた。電気代の高額化が進んだことで、現在は自家水力発電所を持つ日本軽金属蒲原工場(静岡県富士川河口)1ケ所だけが生き残っているに過ぎない。他のアルミ精錬産業は廃業へと追い込まれるか、より安価な電気代を求め海外へ脱出した。高額な電気代が日本産業の空洞化の一因ももなっていることは、業界周知の事である。

 「原発コストは水道や火力より安い」ともよくキャンペーンが展開されているが、これも「間違いだらけ」「事実を捏造した悪質なキャンペーン」の典型である。電気は蓄えることが出来ない、電気という商品の持つ、本質的な特質のために、昼間と比べ、産業現場での電力需要の激減する夜間電力を、無駄に捨てなければならない。

その損を少しでも減らす為に、電力各社は「揚水発電」も併用している。揚水発電は、より下い場所にあるプールに蓄えてある水を、夜間電気を使って、より高い場所にあるプールへと揚水する方式の発電のことである。日中の電力不足の時間帯に、このより高い場所から、より低い場所への落差を利用した発電を行うことと組み合わせることで、夜間の電力過剰を、昼の電力不足時に補おうとする発電方式である。だが、この「揚水発電」を使用することで、「揚水発電」を使用しない時よりも、約3割も電気を無駄に使用する。こうしたことを考えると、「揚水発電」は無駄な発電システムであり、電力単価を安くすることを阻害する原因となっている。

 また、原子力発電は蒸気タービンを使うことから、熱源の33%しか利用できないという熱効率上での限界がある。原子力のタービンにへ送ることが出来る水蒸気温度は摂氏270度~280度が限界であることから、33%より高く熱効率をすることが難しいからである。

 一方、同じ蒸気タービンを使う火力発電の場合だと、その熱効率は、50%を超えるものも最近では開発実用化されている。火力発電のタービンに送る水蒸気温度は、約摂氏500度近くまで可能になった為、それだけ無駄なく、熱効率を50%程度まで高めることが可能になっている。

 仮に、出力が100万KWの火力発電の場合だと、それと同量の100万KWの膨大な熱量を環境中に捨てることになる。それに対し、熱効率が33%で、出力も同じ100万KWの原子力発電の場合だと、火力発電の2倍の200万KWもの膨大な熱量を環境中に捨てる。火力発電よりも2倍も環境中に無駄なエネルギーを放出するのが原発発電。熱効率の面からも、原子力発電は極めて割高で無駄な発電方式である。



違う切り口もある:

http://www.taro.org/2011/04/post-977.php





















http://www.ohmae.biz/koblog/viewpoint/1644.php

2011年4月15日金曜日

まともなデモ

相変わらずニュース・サイトやメールのチェックが多く、疲れている。


原子力安全保安院も、ようやく福島第一原発の事故水準をレベル7と評価した。判断力がなかったのか、原発利権にがんじがらめであるせいか、面子だけのせいか、愚民視のためかは分からない。これら総ての複合産物だったのだろう。おかげで避難は遅れ、しなくても良い被爆者が増え、国際的評価も地に落ちた。それでもレベル7評価が出たせいか、ぼくの周りでも放射能拡散による被曝を心配する人が増えてきた。


10日に東京は高円寺で、1万5千人からのデモがあった。ビデオを見て「漸くこの国でも」という少し感慨に耽った。若い世代は偉い。そして、この時点になるまでデモらしいデモも行えないような社会運動の現状を作ってきてしまった上の世代の責任をひしひしと感じる。


「これまでちゃんと反対してこなくて、ごめんなさい」、「これまで運動を次の世代が担いにくくしてしまって、ご免なさい」。

http://www.youtube.com/uniontube55?gl=JP&hl=ja

http://www.youtube.com/watch?v=h7llbVEM14Y

http://www.news24.jp/articles/2011/04/10/07180563.html

http://www.labornetjp.org/news/2011/0410shasin

http://www.shirouto.org/

http://www.peace-forum.com/mnforce/special/20110410/01.htm

http://410nonuke.tumblr.com/

http://www.47news.jp/CN/201104/CN2011041001000587.html 



http://video.labornetjp.org/Members/akira/videos/0410demo.wmv/view

http://jp.youtube.com/uniontube55



高円寺は、僕が幼少の頃から30年間近く暮らしてきた所だ。