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2010年6月24日木曜日

都のものだから

駅前の植え込みに立派な琵琶の木がある。今や朱色の実がたわわになっている。実においしそうだが、誰もとっている様子がない。
商店街にある通い付けの果物屋さんのおじさんに、「この際は、商店街で大きな梯子をかけて子どもたちに採らせて食べさせることでもしたらどう? 序でに、お店で売っているビワはもっとおいしいよ、とか言ってどうせ付き添ってくる親に買わせるってのはどうだろう」と提案した。ところが、おじさんはこともなげに、「あそこは都有地だから誰がとてもいいんだよ」。こういう感覚はいいですね。早速、試みてみようか。

2010年6月9日水曜日

地中海に沈められるガザ


700円で立派なメバルが手に入ったので、またアクア・パッツァを作った。今度はアサリも添えてみた。できあがったところでのスープは、実にこくがあり満足。しかし、アサリに火を通そうと数分余計にレンジの上においていたのは間違えだった。メバルの身がくずれるほどになってしまった。次回はアサリは抜きにしよう。一緒に飲んだのは、これまた700円のミュスカデ Muscadet Sèvre et Maine, 2008。スープにこくがあったので、先日のボルドー Entre Deux-mers のほうが合ったかもしれない。

Le Monde diplomatique の英語版6月号で同紙の編集者の一人 Alain Gresh は、ガザが「地中海に沈んでいく」というラビンの夢をかなえてしまう状態にあると訴えている。イスラエルの封鎖によって、ハマースが07年6月に政権をとるまでは、国境を越えガザに入るトラックは月間平均12000台だったのが、この4月には2647台で、ガザは今や07年6月以前に搬入されていた物資の22%しか入らないというのだ(国連のパレスティナ被占領地域人道問題調整事務所の報告による)。

彼は、イスラエルの今回の蛮行は、一昨年暮れからのガザ攻撃がEUによる他の大国同等のbilateral双務的な関係の承認直後に始まったのと同様に、5月10日のイスラエルのOECD加盟承認の直後に行われていることに注目している。南アフリカでのアパルトヘイトの際と同様のことが繰り返されているという訳だろうか。

http://mondediplo.com/2010/06/01gazasinks

http://www.ochaopt.org/

2010年6月6日日曜日

ガザ支援船団襲撃をめぐる宣伝戦


ガザに救援物資を届けようとしていた人道支援他団体の船団を、イスラエルの特殊部隊が公海上でまったく一方的に襲撃し、アメリカに次いで親イスラエルとされていたイラン船籍の船では、何と9人が殺された。大勢が負傷し、全員が「不法入国」と理由に拘束された。

さすがにイスラエル政府内部からも、これはPR戦での失敗との批判がおこっているらしい。
威嚇射撃によるガザ接近を阻むくらいのことは、予想されていた。しかし、かくもあからさまな国家テロが行われるとは、常軌を逸している。

http://english.aljazeera.net/video/

なぜこのような蛮行が公然と行われるのか。国連総長の腰の引けた声明、クリントン国務長官の事実調査を求める声明。この程度の反応しか出てこないと見通せる程のメディアでのイスラエルの圧倒。「昨年春のガザ攻撃に比べれば大したことはない」「あの時も大手マスメディアは“客観報道”に徹しておとなしかった」とイスラエルの政府と軍部はタカをくくっていたのだろう。


メディアでは圧倒すればよく、相手方の言論は無視し、こちらの報道の彼方に隔離してしまえばよい、反論する必要はない。これが当今のメディア戦術なのだろう。それでも、Avaazという国際的な運動団体などは、ガザ封鎖の解除と今回の襲撃の全面的調査を求めるアッピールを出して無視できない声を作ろうとしている。呼びかけから1日で、すでに20万の賛同が集まっており、その数は刻々と増え、もうすぐ50万に達しようとしている。このサイトを見ていると、文字通り地球は丸く、運動は国境を越えて広げることができると感じられる。

http://www.avaaz.org/en/gaza_flotilla_8/?cl=596803833&v=6436


当のイスラエル国内でも、政府を批判する街頭行動が広まっている。インターネットもばかにならない。

http://www.youtube.com/watch?v=LH5sXyrCFHo