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2008年4月28日月曜日

別れ


土曜午前中、気持ちよく暖かで穏やかな日差し。体力も回復してきた感じがするので、数週間ぶりにN農協直販所に野菜の買出しに行った。

トマトやナスなどの野菜の苗も売り出していて、いつになく長蛇の列。帰宅するとたったこれだけのことなのに、疲れがどっと出てきた。メンタイコ・スパゲッティに買ってきたばかりのカキ菜を軽く炒めたもの。食休みしていると電話。

何と電話はイタリアはFのInesから。Ilaresが今朝亡くなったという。10年前にF近郊でのブドウ摘みで知り合って以来、Fに行けばいろいろと世話になってきた友人だ。4年前にALSに罹り、2年前に気管支を切開して呼吸器をつける生活をおくっていた。昨夏、ようやく見舞いに行くことができた。「来春には来れない。でも、また会うまで元気で」と言って別れた。最後に彼が言ったのは、「運転はTのほうがうまいから彼に任せろ」というInesへの軽口だった。

覚悟はしていた。しかし、辛い。Inesは「Ilaresはもういないのよ」と言った。Fに想いを馳せるとき、僕はいつものように心の中でIlaresと会話していた。胸に哀しさがこみ上げてくる。

2008年4月26日土曜日

きれいな眺め



ようやく研究室の引っ越しが終わり、窓の外を見るとご覧のとおり。
おそらくこの季節は学内でも最も美しい外の眺めが楽しめる部屋だろう。
もっとも、この眺めを楽しめる机までたどり着くには、まだ段ボール箱の迷路を通り抜けなければならない。

2008年4月24日木曜日

浦所のケシ



実は去年の写真。しかし、今年の春は早い。雨の日も多い。撮らないうちに見えなくなってしまうかもしれない。そこでアリバイ作りに載せておく。

豚キャベツ   作って食べよう(その10)

ブログを書いている時間があるなら、その分は身体をやすめてさっさと復帰してくれろと叱られた。
そこで、以前に書いた出来合いの文章を載せる。
野菜を食べてくれ! そんな思いで書いた。濃く味付けしたブタの焼き肉を刻んだキャベツにドバッとのせてワサワサ食べるものだ。新キャベツが出回るこの時期には良い。

所要時間20分。下準備と調理本体からなる。後半の調理はそのまま食事につながる。

<用意するもの>
A)ブタ薄切り200gくらい
B)キャベツ6枚くらい(小さなキャベツなら1個でも良いか)
C)ショウガ、ニンニク 一かけずつ
D)豆板醤、味噌、醤油、味醂か酒、砂糖など好みの調味料

<下準備>

1)キャベツを適当に千切りする。適当枚数を洗い、固い部分をとり、ひたすらに千切りする。巾は好みで、まあ5ミリから1cm位か。
大きなボールか、各自の食器(ラーメンやうどん用のどんぶり程度が良いね)にどっさり分けておく。

2)ショウガとニンニクはみじん切り。

3)肉は食べやすい大きさに2つか3つの切っておく。

4)Dの肉味付け用の調味料を肉の量に応じて適当量を混ぜておく。

<調理本番>

下準備ができたら調理して食べるまでの時間は間もないので、この段階までには飯が炊きあがっていて、いつでも食べられるようにしておいてほしい。

5)フライパンか深鍋、中華鍋などに油をしき、2)を軽く炒める。

6)良い香りがたったところで、素早く3)と4)を一挙に入れ、強火で肉にしっかり味付けする。

7)味付けされた肉を熱いうちに、1)の上にかけザックリ混ぜる。

たったこれだけ。
肉の熱と濃い味でキャベツはしんなりしてくる。ドシドシ食べる。飯も捗る。
キャベツの量が少ないと肉炒めといった感じになり、肉が少ないとキャベツ・サラダに豚のトッピングといった感じになる。両者の割合は何度か試して自分の好みでどうぞ。
肉の味付けも、豆板醤の代わりにタバスコ、ウースターソース、カキ油など、自分の好みで試みると良い。
しかし、使う肉はブタが良い。牛では脂が固まりやすい。トリだと強い味付けはやさしくない。

この調理は中華風だけれど、合わせる酒はビールでも焼酎でもいいでしょう。

2008年4月22日火曜日

名古屋高裁の派兵違憲判決

注目される判決が、4月17日に名古屋高裁で出された。
「自衛隊のイラクでの空輸活動は憲法違反」、「平和的生存権は憲法上の権利」とはっきり認める判決が出たのだ。

この種の派兵差し止め訴訟は全国でかなり起こされて来た。しかし、派兵の違憲性を確認しろとか、派兵を差し止めろとか、派兵による損害を賠償しろとかいう形での訴訟は、現在の日本の訴訟制度では無理がある。のみならず、今の裁判官のあらかたは、こうしたもろに憲法問題に関わる提訴については、法廷でまともな審理はしないと撥ね付けたり、逃げ回るのが圧倒的多数だ。

判決で勝てなくても、公判の過程で問題を明らかにし、多くの人に訴える手がかりがあるならまだしも、そんな見通しもないのなら、こうした提訴は人々の善意の力を浪費することになる。そう僕は考え、この種の差し止め訴訟に加わることを求められても断って来たし、意見を求められればこのように言ってきた。

僕が予想したように殆どの派兵差し止め訴訟は、実質的審理もされないまま敗訴した。ところが、今回の判決である。当然というべきか、判決主文では完敗している。ところが、裁判所は判断理由のあらかたを使って派兵の違憲性と、平和的生存権の権利性について明言しているのだ。被告の国は勝訴しているので上告できず、「敗訴」した原告も上告しないから、この判決は確定する。

少し僕は反省した。「こういうこともある。どうして可能になったのだろうか。どういう効果があるだろうか」などなど。

判決をまとめた青山邦夫裁判長は、この3月末で裁判官を辞しているという。派兵を支持する側からは、「最後っぺ」判決という非難もあがっている。昨年も違憲判断をした裁判官が判決後に定年を残して退職している。考えなくてはならないことは色々とありそうだ。

なお、判決の原文は、次のサイトでpdfファイルで読むことができる。長沼判決ほど長いものではない。多くの人が読んでほしい。

http://www.haheisashidome.jp/hanketsu_kouso/

判決要旨のpdfファイルは次で見ることができる。

http://www.news-pj.net/siryou/pdf/iraku-nagoyayoushi_20080417.pdf

全国の弁護士達もこの判決を肯定的に評価している。たとえば、日弁連会長の声明は次で読める:

http://www.nichibenren.or.jp/ja/opinion/statement/080418.html

2008年4月21日月曜日

脳みそは入っているのか

4月初めにインフルエンザ(おそらく旧型か在来型)を引き込み、それ以来、忙しさのためになかなか抜けなかった。休んでは動き、動いては休むの超低空飛行。ところが先週になって頭痛かひどくなって来た。頭を横にしていないと辛い。特に後頭部からてっぺんにかけてが締め付けられるように重く痛い。この週末はひたすら横になっていた。それでも日曜は朝から辛い。

連れ合いが心配してくれて、「急患」で近くの病院へ行くことにした。休みなのに親切に対応してくれる。青息吐息の僕の話しを聞くと医者は、「じゃあCTを取りましょう」といとも気軽に言う。生まれて初めてのCTなのでわくわくする。これで自分も現代医療技術の恩恵を蒙ったわけだなどと能天気な充足感にひたる。

しばらくして結果がでてきた。医師が説明してくれる。「オオッ、これが脳みそか。ちゃんと入っているではないか」。感動していると連れ合いの曰く、「入っているのが脳みそかどうかは分からない」。